老朽化で閉鎖した徳島市文化センター=同市徳島町城内

 徳島市は22日、中心市街地活性化推進本部の会合を開き、徳島駅西側駐車場としていた新ホールの建設予定地を見直し、2014年度末に閉館した市文化センター跡地(同市徳島町城内)を代替地として検討することを決めた。総事業費を100億円以下に抑え、23年度の開館を目指す。

 市役所であった会合には本部長の遠藤彰良市長ら市幹部10人が出席。市が市議会6月定例会で概算事業費(建設費、土地整備費、借地料含む)を約141億円、開館時期を当初予定の23年度から5年遅れるとしていた点について、再検討した結果が報告された。

 概算事業費は、補償対象物件の移設経路を再考し、当初予定より3億円少ない約138億円にできると説明。事業期間も事前協議や建設工事の短縮で1年早まるとしたが、抜本的な解決にはならないとした。

 さらに市文化協会加盟団体など20団体への聞き取りで「ホール整備に10年は待てない」との意見が相次いだことに触れ、尾崎覚理事が「事業費を抑制しつつ早期整備が期待できる市文化センター敷地での整備を検討したい」と提案した。

 出席者からも「駅西では市民の理解が得られにくい」といった意見が出され、遠藤市長は見直しを決定。「できる限り早期に実現できるよう取り組む」との考えを示し、関係部局と連携・協力しながら進めるよう指示した。

 市議会12月定例会に施設概要などを盛り込んだ整備方針案を示す予定。

 会合後、遠藤市長は報道陣に「23年度の開館目標を念頭に置き、総事業費は100億円以内に抑えたい」と述べ、センター跡地が駅西よりも約300平方メートル狭いことを挙げて「大型トラックの搬入路確保などで工夫が必要になる」と話した。