ドリブルで敵陣へ攻め込む徳島のウタカ(左)とバラル=岡山市のシティライトスタジアム

 台風の影響で延期になっていた明治安田J2第26節の徳島ヴォルティス対岡山の代替試合が22日、岡山市のシティライトスタジアムで行われ、徳島は1―2で6試合ぶりの黒星を喫した。同一カードの2連敗は今季初。徳島は12勝5分け12敗の勝ち点41で10位に順位を一つ下げた。開始早々先制され、一度は追い付いたものの前半終盤に再びリードを許し逃げ切られた。次節の徳島は25日午後7時から、大分市の大分銀行ドームで3位大分と戦う。

 【評】徳島は堅守速攻を貫いた岡山を崩しきれなかった。前半1分、敵陣からのロングカウンターを防ぎきれず失点。28分にペナルティーエリア内で佐藤のパスを受けた岩尾が決めて同点としたが、38分に左からのクロスを頭で合わされリードされた。後半はウタカをはじめ杉本太、広瀬を投入して打開を図ったが、ゴール前に人数を集めて守る岡山から得点を奪えなかった。

 ロドリゲス監督の話 立ち上がりに失点し、岡山のやりたい展開にはまった。彼らは得点した後も引いてカウンターを狙ってくる。その中で2点目を奪われたのが試合の分かれ目になった。

 ロングボールで崩され失点 

 「絶対に先に失点してはいけない」。守りの分厚い岡山を相手に徳島は強く意識して臨んだが、プランは早々に崩れた。開始1分。岡山がロングカウンターを放った。1人また1人とかわされ最後はゴール右隅へ。藤原は「ボールの失い方が悪かった」と唇をかんだ。

 岡山はボールを奪うといきなり前線へロングボールを送り込む。徳島の守備陣に何度はね返されても同じやり方を繰り返した。相手の戦術は明確だっただけに、石井は「2失点目も含めて防げた失点。流れを渡してしまった」と悔やんだ。

 攻撃陣は徐々にボール保持率を高め、28分には右サイドからの攻撃で佐藤のポストプレーに走り込んだ岩尾が落ち着いて今季5得点目となる同点弾。だがその後はゴール前を固める岡山守備陣をうまく誘い出せず、逆にボールを奪われるなどして時間を浪費した。

 徳島が誇る外国人FW2人もこの日は不発に終わった。特に前半はゴール前が分厚い守備陣の前にバラルがペナルティーエリア内で仕事をさせてもらえなかった。後半21分にはウタカとの連係でバラルが狙ったが枠を外れ、39分には杉本太が得たFKで再びバラルが合わせるもGKにセーブされた。

 ホーム6連勝や大量得点など上昇機運にあっただけに、手痛い敗戦となった。だが次の試合が3日後に迫る中、下を向いている暇はない。岩尾主将は「クロスへの対応など課題を反省し、次戦に備える」と切り替えを強調した。