強い台風20号は四国の南海上を北寄りに進んだ。予報円の中心を通れば四国を直撃する進路を取っており、徳島県内には午後6~9時に最接近し、上陸や通過の恐れがある。県内全域では夕方から風速25㍍以上の暴風域に入り、激しい風雨に見舞われる見通し。徳島新聞のまとめでは、午前10時時点で三好、美波など7市町の21世帯26人が公民館などに避難している。
23日の県内は朝から南部を中心に断続的に雨が降った。降り始めの20日午前6時から23日午前5時までの総雨量は那賀町木頭出原207・5ミリ、上勝町福原旭180・0ミリなどとなっている。県内は風速15メートル以上の強風域に入っており、徳島地方気象台は全域に暴風警報、阿南、三好、海陽など7市町に大雨警報を出した。
気象台によると、24日午前6時までの24時間降水量は多い所で南部800ミリ、北部500ミリ。1時間降水量は北部、南部ともに80ミリと予想されている。
23日の予想最大風速は南部で陸上35メートル(最大瞬間風速50メートル)、海上40メートル(55メートル)、北部で陸上30メートル(45メートル)、海上35メートル(50㍍)。波の高さはうねりを伴い南部11メートル、北部9メートルと大しけとなる見込み。
那賀町長安の長安口ダムは水位を下げるために20日から予備放流を行っており、23日午前10時時点の放流量は毎秒389・7トン。24日までに予測される最大放流量は毎秒4000トン。
23日午前9時現在、時速約35キロで進み、中心の気圧は955ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は60メートル。中心の東側170キロ以内と西側110キロ以内は風速25メートル以上の暴風域となっている。
交通のダイヤが乱れ、観光施設の臨時休館も相次いでいる。
徳島発着の空の便は、日本航空の東京線で午後6時半徳島発以降上下3便、福岡線では午後4時半福岡発と午後6時徳島発がそれぞれ欠航。全日空の東京線は午後4時15分徳島発以降上下4便の運休が決まった。
JR四国は瀬戸大橋線を含む全ての特急で正午前から順次、運転を見合わせている。阿佐東線は午後2時以降の運行を取りやめる。
徳島と和歌山を結ぶ南海フェリーは23日が終日、24日が上下10便を欠航する。オーシャン東九フェリーは24日までの徳島発東京行きと徳島発北九州行きの欠航を決めた。
高速バス各社は京阪神や高知、松山、名古屋方面の上下便で午後を中心に欠航が相次いでいる。午前11時半時点で県内の高速道路や県管理の国道、県道で通行止めはない。
四国電力徳島支店によると午前9時50分ごろ、美馬市美馬町で約600戸が停電した。風が原因かどうかは不明。午後1時ごろまでに全て復旧した。
板野町のあすたむらんど徳島、鳴門市の大鳴門橋架橋記念館エディと渦の道は終日休館。徳島市の阿波おどり会館は午後から休館した。