「阿波おどり振興協会」が演舞場外で総踊りを強行するなど混乱した今夏の阿波踊りについて、徳島市の遠藤彰良市長は23日の定例会見で、演舞場での総踊り中止は「結果的にマイナス要因だった」と述べ、人出が前年比15万人減にとどまった一因との見方を示した。
遠藤市長は人出減の理由について、全国で総踊り中止が報道されたことを捉え「『総踊り』の意味を知らず、阿波踊りが中止と思い込んだ人が多かった」と説明。阿波おどり実行委員会が有料4演舞場で有名連が踊り込む「フィナーレ」を試みた点を踏まえ「阿波踊りをよくしようと思って考えた結果だった」と釈明した。
実行委の自粛要請を無視して総踊りが強行されたことは「大変遺憾に思っている」とし、振興協会へのペナルティーについて「実行委で協議したい」と話した。総括として「最初は開催できないと言われていたが、職員も短い時間の中で見事にやってくれた。しっかり開催できたので80点」と語った。
来年以降も自身が実行委の委員長として主催するかを問われ「大きなお祭りを、市長が表に出てやるのはどうかという疑問も呈されている。今年は緊急避難という形だった。来年に向けてはいろんな準備ができるので、皆さんと相談したい」と述べ、体制の変更に含みを持たせた。