徳島県内に上陸した台風20号は24日未明、日本海に抜けた。降り始めの20日午前6時から24日午前11時までの総雨量は、那賀町木頭出原で424・5ミリ、上勝町福原旭で386・5ミリ。鳴門市内では2戸が床下浸水し、強風で飛ばされたテントが民家の屋根瓦や車の窓ガラスを割った。避難者は全員帰宅し、交通網は順次、通常運行を始めている。
鳴門市によると、瀬戸町堂浦の海岸沿いで高潮が打ち上げ、木造平屋の市営住宅2戸で床下浸水が確認された。撫養町大桑島では桑島テニス場にあったテントが飛ばされ、民家の屋根瓦と、駐車していた乗用車の窓ガラスを割った。けが人はいなかった。
県内各地で公民館などに避難していた人は午前10時までに全員帰宅した。海陽、つるぎ両町の5102世帯1万221人への避難準備情報は解除されていない。
徳島と和歌山を結ぶ南海フェリーは24日午後9時40分発の下り便から運航を再開する。オーシャン東九フェリーは徳島発の全上下2便が欠航した。 徳島発着の空の便は日本航空と全日空の東京線上り各1便が欠航した以外は平常通り運航した。
JR四国は始発から運転を見合わせていたが、午前8時半ごろから順次運転を再開。阿佐海岸鉄道も同9時前から運行を始めた。
高速バス各社も始発便から順次運行を開始し、路線バスは平常ダイヤに戻った。
消防庁によると、徳島の2人など7府県で13人が負傷した。兵庫県淡路市の北淡震災記念公園では約60メートルの発電用の風車が倒れた。明石海峡大橋ではトラックなど計5台が強風にあおられて横転。3人が病院に運ばれた。