[上]女子団体で優勝した徳島市立の予選の試技[下]徳島市立の優勝メンバー。(左から)山口、諸岡、幸、皆谷=いずれもブレックスアリーナ宇都宮(同校提供)

[上]女子団体で優勝した徳島市立の予選の試技[下]徳島市立の優勝メンバー。(左から)山口、諸岡、幸、皆谷=いずれもブレックスアリーナ宇都宮(同校提供)

 弓道の第34回全国高校選抜大会最終日は26日、栃木県のブレックスアリーナ宇都宮で男女各16校による団体決勝トーナメントが行われた。女子の徳島市立(諸岡茉莉亜、幸七優、山口莉奈)は決勝で丸亀城西(香川)を8-7で下し、男女を通じて県勢初の栄冠に輝いた。

 初の栄冠に徳島市立の選手は「うれしい」「夢のよう」と喜びを爆発させた。新チーム結成から5カ月。一戦一戦に集中して勝ちを積み上げ、全国の頂点に立った。

 山口主将らが「最大のヤマ場だった」と振り返るのは2回戦の倉吉西戦(鳥取)。2014年のインターハイで優勝している強豪との対戦で、皆中を披露したのが1年生の幸。「頼もしい先輩が前後にいるので、安心して引くことができた」。大一番で抜群の勝負強さを発揮し、9-8で勝利をもぎとると、チームは完全に勢いに乗った。

 前日まで行われた個人戦にも出場した諸岡は準決勝で敗退後、フォームを修正するために、宇都宮市内の弓道場で平野監督、山口主将と2時間ほど調整に励んだ。そのかいあって、準決勝と決勝は課題としていた「1射目を当てる」ことに成功し、大前の役割を果たした。

 丸亀城西との決勝では、諸岡と山口主将の2人の2年生がともに3中で幸を引っ張り、8-7で競り勝った。4試合のうち、3試合までが1中差での勝利。「準決勝からは、試合前でも選手に笑顔があった」と平野監督。3人がリラックスして平常心で試合に臨み、集中力を切らさなかったことが快挙につながった。

 11月の四国高校新人大会でも優勝し、チームは急成長を続けている。山口主将は「全国優勝は自信になった」と話しながらも「ここからがスタート」。あくなき向上心を胸に、さらなるレベルアップを誓っていた。