2015年の徳島県内の交通事故死者数は27人(前年比4人減)で、統計を取り始めた1960年以降、最も少なかった。最少記録更新は2年連続。一方で高齢者が亡くなる割合は依然として高いことから、県警は16年に高齢者対策を強化する。
県警交通企画課によると、事故の内訳は自動車乗車中8人(前年14人)、歩行中8人(9人)、自転車乗車中6人(6人)など。無謀運転による事故死は速度超過1人(7人)、信号無視1人(1人)だった。酒酔い運転での死者はいなかった。
同課は減少の理由を「飲酒などの無謀運転を避け、マナーを守ろうという意識が高まっている」と分析する。
救急救命技術の向上も背景にある。徳島赤十字病院高度救命救急センターの福田靖部長は「医療設備の発達で、治療の必要な部位が以前よりも迅速に分かるようになった」と言う。
県警が今後の対策として重視するのは、高齢者への啓発。15年に亡くなった高齢者は17人で14年より2人減ったものの、全体に占める割合は63%で、14年の61%を上回った。
17人のうち自転車乗車中が5人で14年から1人増えたことから、県警は高齢者向け自転車安全教室を開いたり反射材の着用を呼び掛けたりすることにしている。