LEDに照らされた曲弦トラスの連なりが美しい吉野川橋の夜景=徳島市応神町

 吉野川北岸の堤防道路から、この橋を眺めながら通勤している。30年を超える見慣れた光景だが、天気や時間によって趣が変わり、見飽きることがない。

 

 多くの人がそう思っているのだろうか。SNS(会員制交流サイト)上では「今日の夕焼けに浮かぶ吉野川橋はきれいだった」とか「眉山と吉野川橋の組み合わせは徳島の原風景」などの書き込みが多数見られる。

 吉野川橋の全長は1071メートル。昭和に入って間もない1928年12月に完成し、今年で満90歳になる。この間、大きく変わる時代と共に歩んできた。開通式では、珍しかった自動車を15台連ねて盛大に祝った。南詰めには、水上飛行場があり、吉野川から大阪へと飛び立った。

 徳島大空襲の際には、燃えさかる街から人々が橋を目指して逃げ惑い、焼死体が土手にずらっと並んだという話も伝わる。高度成長期には、吉野川北岸地域と徳島市中心部をつなぐ大動脈として増加する車の通行を支えた。

 来年4月末には平成が幕を閉じる。昭和、平成、そして新たな時代へ―。吉野川橋はこれからも人々を支え続け、さまざまな表情を見せてくれるのだろう。