晴天の桜島を背景に「あと3年、日本のかじ取りを担う決意だ」と安倍晋三首相が出馬表明し、来月7日告示の自民党総裁選は、首相と石破茂元幹事長による一騎打ちの構図が固まった。いよいよ論戦が本格化する、はず
その前日、石破さんが妙なことを言っていた。自身のキャッチフレーズ「正直、公正」を変更するかもしれない、と。「首相に対する個人攻撃は控えるべきだ」との苦言が党内から出ているのだとか
「正直、公正」。道徳の教科書にも載っていそうな、いい言葉じゃないですか。それが攻撃の材料になるって一体・・・。安倍さんもみくびられたものである
もっとも石破さんも、森友、加計学園に代表される安倍さんの政治姿勢を念頭に言葉を選んだのだろう。嫌みを込めて、と外野には映る。とはいえ、姿勢を問うことは大事で、「個人攻撃だ」などと切り捨てる事柄ではない
優勢といわれる安倍さん。念願の憲法改正に向けて圧勝したいところ。中途半端な勝ち方では、次の3年の任期、身動きのとれないアヒルになりかねない
「西郷どん」の鹿児島を選んだのは、多分に地方票を意識してのことだろう。「争点は新たな国造りをどう進めていくかだ」。時代の転換点、骨太の議論を行うとも述べた。どちらさまも「正直、公正」で熱量の大きい討論を期待したい。