蒸し上げられたコウゾを取り出す会員ら=那賀町木頭和無田

 那賀町木頭地区に伝わる古代布「太布(たふ)」の糸づくりが12日、同町木頭和無田の木頭創芸館前で始まり、寒風の中、原料のコウゾの加工作業「楮(かじ)蒸し」などが行われた。

 地元の阿波太布製造技法保存伝承会会員やボランティアら約20人が、前日に収穫した長さ1・7~3・4メートルのコウゾ628本を、釣り鐘状の蒸し器「甑(こしき)」に入れて約2時間加熱。軟らかくなった樹皮を手でむき、あくで煮詰めた後、木づちでたたくなどして外側の鬼皮を取り除き、那賀川の清流にさらした。

 13日に川から引き揚げ、1カ月ほど自然乾燥させた後、細かく裂いた繊維を手作業でより合わせて糸にする。

 伝承会では毎年、冷え込みが厳しくカビがつきにくいこの時季に糸作りに取り組んでいる。太布は江戸時代まで四国の山間地の多くで作られていたが衰退し、現在は木頭地区だけに伝わっている。