【上】住友紀人さん【下】住友さんが作った曲に合わせ、小唄を歌う「歌碑を建てる会」役員ら=徳島市の阿波観光ホテル

 小松島市出身の作曲家住友紀人さん(51)=東京都在住=が、詩人野口雨情(1882~1945年)が徳島城跡で詠んだ小唄に曲をつけた。徳島市内で雨情の歌碑の設置計画を進める有志の一人が住友さんの恩師だったことから実現した。2月23日、徳島市のあわぎんホールで開かれる雨情の来県80周年記念イベントで、徳島少年少女合唱団が披露する。

 小唄は「むかし忍んで徳島城の 松に松風絶へやせぬ」。雨情が1936年、徳島市を訪れた際に残した。住友さんの曲は「むかし忍んで」とのタイトルで、ゆったりとしたテンポで郷愁を誘うメロディーに仕上げた。

 36年は雨情が最後に来県した年で、今年は80年の節目に当たる。市内に雨情の歌碑がないことから、県内の文学関係者らが昨年9月「歌碑を建てる会」を結成。記念イベントや童謡絵画展の準備を進めており、2月21日には市役所前公園に小唄を刻んだ歌碑を設置する。

 建てる会の役員の一人で、名西高校芸術科で住友さんを指導した元教員森本洋子さん(77)=同市北佐古一番町=が作曲を依頼した。住友さんは「徳島中央公園の松を思い浮かべながら、小唄の言葉からあふれる情感を表現した。聴いた人が公園の情景を思い浮かべてくれれば」と話している。

 記念イベントは午後6時から。徳島少年少女合唱団のほか県内の朗読愛好家グループや合唱サークルなどが出演し、名西高芸術科の卒業生らが弦楽器やピアノで伴奏する。