球根の促成栽培処理により12月に開花したアリウム・コワニー=石井町の県立農林水産総合技術支援センター

 関西の市場で那賀町産がシェア8割を占めるユリ科の球根植物アリウム・コワニーの促成栽培法を、徳島県立農林水産総合技術支援センターが開発した。通常はハウス栽培で1月下旬から出荷のピークを迎えるが、植え付け前に球根を温めることで2カ月以上、開花時期を早めることに成功。販売単価の上がる年末年始の出荷が可能になり、生産者の所得向上が期待できる。

 促成栽培法では球根を5、6月の2カ月間保温器に入れて30度で温める。さらに7、8月の2カ月間は保温器の温度を20度に設定変更し、9月に植える。

 球根は通常、ハウス栽培で1~3月に2、3回花を咲かせた後、4月から6カ月は休眠状態となり、10月に植え付ける。センターが開発した促成処理は、球根を温めることで休眠から覚まし、芽の形成を促す。

 センターが2014年に行った試験では、促成処理した球根は11月と12月の中旬、1月上旬の3度、花を咲かせ、収穫できる状態となった。これに対し、通常の球根で収穫可能となった時期は1月下旬と2月中旬、同月下旬で、促成処理により収穫期が2カ月以上早まった。

 センターによると、アリウム・コワニーは花束や生け花の添え花として使われることが多い。平均単価は1本当たり35円程度。年末年始は需要が高まり、5~10円上昇することから、促成処理によって売り上げアップが見込める。

 また、促成処理した球根と通常の球根を併用することで収穫時期のピークを分散することができるため、生産者の負担軽減にもつながる。

 15年度はセンターが促成処理した球根を生産者に提供し、実地試験に取り組んでいる。担当する近藤真二専門研究員は「保温器が高額なのがネックだが、現場サイドと協議しながら実用化にこぎ着けたい」と話している。