2015年の徳島県内の10~20代の若年献血者は5640人で、3年連続で減少した。過去10年で最も多かった06年の9010人から約3300人減っており、県赤十字血液センター(徳島市)などは「減少が続くと将来、安定供給ができなくなる」と危機感を強めている。

 15年の総献血者数は2万9417人と前年より584人増えたが、10~20代の若者は205人減った。過去10年の若年献血者数《別表》を見ると、07年以降は7千人前後で推移し、14年に5千人台に落ち込んだ。

 血液センターは、献血する若者が減っている理由として少子化に加え、注射への抵抗感や関心の低さを挙げる。特に県内では献血バスの高校出張が07~11年に中止され、この間の世代の献血機会が少なかったことが影響しているとみる。

 このためセンターは、若者が献血に触れる機会を増やして理解を深めてもらおうと、献血推進イベントや学校への出張講座などを充実させている。

 1日に始まった全国キャンペーン「はたちの献血」(2月末まで)では、県の献血推進イメージキャラクターで歌手の上野優華さんのポスターをセンターなど2カ所で献血した若者約200人に配っている。9日には上野さんらを招いたミニコンサートを北島町で開き、協力を訴えた。

 血液センターの富田寿人献血推進課長は「血液は人工的に作ることも長期保存もできないため常に一定の献血者が必要。困っている人を助けるために力を貸してほしい」と呼び掛けている。