徳島県への消費者庁移転をめぐり、全国消費者団体連絡会(東京)や与野党の国会議員から反対の声が上がっていることについて、飯泉嘉門知事は18日の定例会見で「なぜ地方創生をしなければならないのか考えてほしい」と理解を求めた。国とともに丁寧な説明を続け、不安の解消に努める考えを示した。

 知事は「東京から離れる違和感や混乱があるのは当然」と、関係団体の訴えに一定の理解を示しながらも、政府関係機関を移転する目的が東京一極集中の是正にある点を繰り返し強調。「今は(消費者庁が都内にあって)いいのかもしれないが、10年、20年先の日本に責任が持てるのか。もう一度考えてほしい」と述べた。

 その上で、移転するメリットについて「地方にこそ消費者行政の現場があり、新たな制度構築のヒントがある」と指摘。東京でなく地方で消費者行政に携わりたいという若者の雇用創出にもつながるとし、「徳島が若者の目的地となり、どんどん来てもらえる」と語った。

 同庁の徳島移転をめぐっては▽消費者行政の機能低下につながる▽大規模な食品事故が起きた場合に緊急対応できなくなる-などを理由に、消費者団体や日本弁護士連合会などが相次いで移転反対の意見書を政府に提出している。