消費者庁の徳島移転 県内団体多くが期待 機能低下 懸念も    

 徳島県への消費者庁の移転が現実味を帯びてきている。全国消費者団体連絡会(東京)などが声高に反対する中、県内の消費者関連団体は一部で反対があるものの、多くは「徳島の発展につながる」と実現に期待を寄せる。3月には同庁長官らによる業務試験が神山町で行われる予定で、県はこれまで以上に妥当性を訴えて懸念の払拭に努める方針だ。
 
  県消費者協会の齋藤郁雄会長は昨年12月に内閣府を訪れ、河野太郎消費者行政担当相らに移転を求める要望書を提出した。「(業務試験は)一歩前進。まだ越えなければならない山はあるが、全面的に協力していきたい」と力を込める。
 移転反対の声が根強いことには「できない理由ばかり挙げていてはできない。交通や通信の手段が発達した今の時代、課題は解決できるはず」と話した。
 「本当にできるのかという感じだったが、国の真剣な姿勢を見て県の発展のために応援しようとなった」。1月に国に要望書を出したとくしま生協の細川尚光理事長スタッフは、視察で来県した河野氏が移転の可能性に言及したことに期待を寄せる。「懸念を払拭した上で移転してもらい、徳島と消費者行政が共に発展することが望ましい」と話した。
 一方、新日本婦人の会徳島支部は誘致に反対だ。祖父江桂子副会長は、食品偽装や製品による事故への対応など、消費者庁の業務は緊急を要する事案が多いことを挙げ、「官邸や複数省庁と連携した危機管理ができるのか疑問」と指摘した。
 「消費者行政の機能低下につながる」といった反対の声は、特に東京で大きい。こうした状況に配慮してか、これまで移転に積極発言を繰り返してきた河野氏は19日の会見で「いろいろとテストをし、全ての判断はそれを見てから。その前に物事を決めるつもりはない」と発言。移転が決定事項ではないことを強調した。
 県によると、県と市町村の消費者行政職員数(2014年度)は事務職員66人、消費生活相談員45人の計111人。人口1万人当たりの配置率は1・453%(全国平均0・677%)で、全国で最も高い。県は「きめ細かく消費者に対応できていることの裏付け」とみており、不安の解消に向けて説明を続けていく構えだ。