福村漁協の組合員に救出され、沖合へ泳ぎ出すマッコウクジラ=午前10時半ごろ、阿南市畭町の亀崎漁港沖

 20日朝に阿南市中林町の中林海岸に漂着して救出されたマッコウクジラが21日朝、同海岸から約1・5キロ北にあるワカメ養殖用の網に引っ掛かっているのを地元の福村漁協の組合員が発見した。組合員が漁船を出して再び救出に向かい、網の一部を切った上で障害物のない沖まで誘導。クジラは自力で泳いで海に姿を消した。

 クジラが網に掛かっていたのは、桑野川の河口に近い王子製紙富岡工場の東側の沖合約500メートルの地点。20日昼すぎに救出されたクジラは同日夕に中林海岸の北にある亀崎漁港の東側にいたことが組合員らに確認されていたが、21日朝はその場所から700メートル北にあるワカメ網(縦70メートル、横90メートル)のロープに下顎を絡めた状態で見つかった。

 養殖網を所有する組合員の佐野信夫さん(73)=同市畭町=が午前8時ごろに発見。いったん港に帰って漁師仲間に助けを求め、佐野さんを含む4人で救助に向かい、ロープ2本を切断した。周辺には10メートル間隔でロープが張られているため、後に加わった中野尚明組合長(60)=同市畭町=が海に入り、尾びれにロープを掛けて2隻の船で引っ張り出した。

 その後、2キロほど離れた沖合まで船でえい航。午前10時ごろ、網などの障害物がない場所まで誘導して救助が完了した。

 一緒に救助に当たった佐野さんの妻の常美さん(67)は「死んでいるのではないかと思って心配したが、本当に良かった。早く傷が治って太平洋へ出て行ってほしい」と話していた。