交流のある台湾・高雄市が制作した写真集を手に、笑みを浮かべる吉成さん=徳島市のヨシナリ写真スタジオ

 徳島市東大工町1の写真家吉成正一さん(90)と半世紀にわたって交流を続けている台湾・高雄市が、現地で吉成さんが撮りためた作品を写真集にまとめた。街の変遷や人々の暮らしなど近代化の過程が分かる約150点が掲載されており、現地では貴重な歴史資料にもなっている。

 タイトルは「吉成正一南台湾写真集」(縦26センチ、横27センチ、197ページ)で、高雄市立歴史博物館などが500部作った。吉成さんが1960年代から2014年にかけて撮影し、同市に寄贈した写真が使われている。

 水牛を利用する田植え、川での洗濯、野菜売り、市街地を行き交うミニバイク、高層ビル、大型タンカーが浮かぶ港など、同市が農村から都市へと変貌していく様子を紹介。日常生活で見せる子どもたちやお年寄りの豊かな表情も切り取っている。

 吉成さんは65年、全国規模の写真コンクールで第1席になった際の招待旅行で、初めて台湾を訪れた。現地のアマチュアカメラマンに指導したことがきっかけで交流が生まれ、高雄市などで毎年、写真教室を開くようになった。これまでに70回ほど訪れている。

 同市は長年の交流を評価し、写真集の制作を決めた。100部は吉成さんに寄贈され、行政機関や親しい知人に配ることにしている。

 吉成さんは「非常に光栄なこと。台湾の若者たちが歴史を学ぶ資料にもなるだろう。写真文化がもっと広がることを期待したい」と笑みを浮かべた。閲覧希望の問い合わせは、ヨシナリ写真スタジオ<電088(652)3323>。