徳島県は、TPPの対策に充てるために新設する基金に、初年度となる2016年度は5億円を積み立てる。農家の経営支援など「守り」の施策に重点的に活用する。16年度一般会計当初予算案に盛り込む。

 新たに創設する「農林水産業未来創造基金積立金」は、県が策定したTPP対応基本戦略を推進する原資として活用。16年度は3億円を取り崩し、「農山漁村未来創造事業」として、小規模産地や中山間地域、新規就農者などへの支援、地産地消の促進に取り組む。

 具体的には、低コストハウスや空きハウスを活用した園芸団地の整備、作業機械や施設のリース、中山間地域での区画改良などを想定。軽作業化に向けたアシストスーツの普及やインターネットを活用した産直市の展開も検討している。

 TPPに継続的に対応していくため、17年度以降、基金の積み増しを検討する。

 飯泉嘉門知事は「TPPのチャンスを生かすためには、守りをしっかりと固めた上で攻めに転じることが重要。複数年にわたって活用できる基金の長所を生かし、対策を講じる必要がある」としている。