テロ事件を想定した国民保護法に基づく図上訓練が22日、徳島県庁であった。県と政府が2008年度から毎年行っており、県警や自衛隊、徳島市など76機関の約260人が参加。昨年11月のパリ同時多発テロなど世界各地でテロが相次いでいることから、参加者は真剣に取り組んだ。
徳島市内の2カ所の集客施設が武装グループによって爆破され、多数の死傷者が発生。その後、犯行グループがアスティとくしまに人質を取って立てこもった-との想定で行った。
県警からテロ発生の報告を受けた県は危機管理対策本部を設置。職員らが情報収集や自衛隊への派遣要請、災害時情報共有システムを使った避難所選定などに当たった。各部局長による危機管理対策本部会議では、飯泉嘉門知事が被害者の早期救出や情報収集態勢の強化を指示した。
政府が緊急対処事態と認定したことを受け、県は国民保護法に基づき緊急対処事態対策本部を設置。政府関係機関や徳島市などとの合同協議会も開き、情報共有を図った。
テロが多発している世界情勢を踏まえ、県は今後も訓練を継続する方針で、知事は「訓練で得られた教訓や課題を全国で共有したい」と話した。