2013年にサッカー日本代表がワールドカップ出場を決めた際、東京・渋谷で盛り上がる群衆を巧みな話術で誘導し注目を集めた「DJポリス」の技能を若手警察官に習得させようと、徳島県警は26、27の両日、警視庁から担当者を招いて講習会を開く。県内外から多くの人が集まる阿波踊りやとくしまマラソンといったイベントへの出動を想定しているほか、災害時の避難誘導などへの応用も視野に入れている。
県警は昨年末から今年初めにかけ、大麻比古神社(鳴門市)と薬王寺(美波町)に県版のDJポリス(愛称・TKポリス)を出動させ、初詣客の混乱回避に向けて拡声器で混雑緩和への協力を呼び掛けた。この取り組みが好評だったことから、大規模なイベント開催時などに幅広く警備広報に取り組もうと講習会の開催を決めた。
講習には警視庁から3人の講師を招き、2日間で各署の地域課員や機動隊員ら約100人が参加する予定。発声方法や表情の作り方、現場の状況に応じて臨機応変に言葉を選んで群集心理をつかむこつなどを教わり、指揮車両の上に立って実技訓練を行う。
大規模災害の被災地で避難誘導などの活動を担った経験がある講師もおり、南海トラフ巨大地震の発生時に効果的に避難誘導を行う方法も指導してもらうことにしている。
県警によると、警視庁から講師を招くなどして本格的なDJポリスの養成に乗り出すのは四国で初めて。地域課の木内敬浩地域管理官は「適性を見極めながら専門的な技能を身に付けてもらい、大規模なイベントや災害に備えたい」と話している。