20日から阿南市中林町の海岸付近に姿を見せていたマッコウクジラが23日、同町の北の脇海岸近くで死んでいるのが見つかった。市などは死骸を近くの漁港に運んだ。24日に対策本部を開き、処分方法などを決める。クジラの状態を案じていた地元住民らは、残念な知らせに肩を落とした。
漁業関係者らによると、クジラは23日午前9時すぎ、北の脇海岸沖をゆっくり泳いでいたが、同10時ごろ、近くの岩礁付近に浮いていた。漁師や市職員が午後2時半ごろに船で近づき、死んでいるのを確認。中林漁港に運び、沖に流れないようロープをくくり付けるなどした。
クジラは20日、中林海岸に打ち上げられ、漁師らが海に帰した。21日には亀崎漁港(同市畭町)の沖でワカメの養殖網に絡まっているのが見つかり、漁師が救出した。
しかしその後も海岸近くにとどまったままで、頭部に傷も見られたことから、関係者の間で心配する声が高まっていた。
21日にクジラを助けた福村漁協の中野尚明組合長(60)は「22日は姿が見えなかったので、沖に出られたのだろうと思っていたのだが…」と残念がった。
中林漁港にはうわさを聞いた人が多く駆け付けた。津田小2年板敷心菜ちゃん(8)は「元気になってほしかったのにかわいそう」と話していた。