アート展に向け、作品づくりに取り組む施設利用者=阿南市上中町の障害者支援施設シーズ

 阿南市上中町南島の障害者支援施設「シーズ」が開いているアート展「パラレル クロッシング エキシビション」が、今年で3回目を迎える。本年度は11月1~4日に徳島市の県立近代美術館ギャラリーで開くほか、京都市でも初めて開催。施設利用者は作品づくりに励んでいる。

 アート展は、表現活動を通じて知的障害者への理解を深めてもらおうと、2016年にスタート。東京五輪・パラリンピックがある20年に都内で開くのが目標だ。

 芸術活動の盛んな京都でも発表したいと、障害者のアート展などを運営する「きょうと障害者文化芸術推進機構」に協力を依頼。同機構の活動拠点であるアートスペースコージン(京都市上京区)での開催が決まった。19年1月10~27日を予定している。

 出品作は「体」がテーマ。人間の体を使って人と人のつながりや気持ちなどを表現するという。

 今月下旬にシーズで開いたワークショップでは現代美術家の今村源さん(61)=京都市=や井上明彦さん(62)=同=ら4人が講師を務めた。利用者約30人はクレヨンや色鉛筆で段ボールに人の形を描いて色を塗ったり、顔の輪郭が描かれたA2判の用紙に目や鼻などを貼り付け、福笑いのように仕上げていった。

 今後も週2回ほど作業を行い、利用者は思い思いの感性で作品づくりを進める。

 アート展には、シーズの活動に共感した県内7施設も加わる。シーズ利用者の野村勇起さん(36)は「作品を作るのは楽しい。多くの人に見てほしい」と話している。