県内の視覚障害者らでつくる吟詠伴奏グループ「洋&邦」が2月、盲導犬育成を支援するチャリティー公演を徳島市のあわぎんホールで行う。メンバーの一人で、昨秋急死した全盲の山橋衛二さんを追悼する催しを企画。寄付金を募り、「徳島の盲導犬を育てる会」に贈る。
山橋さんは5段の腕前を持つ吟士で、グループの公演ではトランペットで詩吟の伴奏をしていた。今回も愛知県の柴田世井楓(せいふう)さんの伴奏を務める予定だったが、練習を始めようとしていた矢先の昨年10月、交通事故に遭い、盲導犬「ヴァルデス」と共に亡くなった。
公演では、トランペット演奏する山橋さんとヴァルデスの映像を開会のファンファーレとして流し、これまでの功績などを紹介する。会場ロビーには、盲導犬を育てる会が、山橋さんの日常生活や啓発活動の様子を伝える写真パネル約20枚を展示する。
「洋&邦」は、尺八や琴が主流だった詩吟の伴奏に洋楽器を取り入れようと、山橋さんら視覚障害者と支援者の15人が1993年に結成。チャリティーイベントなどを行ってきた。
塩田節子代表(69)=徳島市八万町福万山、音訳奉仕員=は「流派を超えた素晴らしい舞台。衛二君に成功の報告ができるよう頑張りたい」と意気込んでいる。
公演は2月28日午後1時から。県内外の吟士ら約60人が出演する。日本吟剣詩舞振興会常任理事の野中秀鳳(しゅうほう)さんがピアノの弾き語りを披露するほか、20代の男女7人による剣群舞や県内の小中学生の剣詩舞などがある。入場無料で、入り口付近に募金箱を置く。集まった善意は、運営費を除いて寄付する。