ブランド化を目指して名付けられた松茂町産の白ネギ「浜葱」=同町豊岡

ブランド化を目指して名付けられた松茂町産の白ネギ「浜葱」=同町豊岡

 松茂町とJA大津松茂(鳴門市)が、町内で栽培された新品種の白ネギを「浜葱(はまねぎ)」と名付け、昨年12月下旬から包装を統一して出荷を始めた。町産なると金時「松茂美人」の裏作として栽培農家が増えていることから、白ネギもブランド化を図り、首都圏や関西市場にアピールする。

 浜葱は、県などが2013年度からサツマイモの裏作として推奨している新品種「ふゆわらべ」。ブランド名は、高品質なネギ生育に適した砂地での栽培をPRしようと、砂浜をイメージして町などが決めた。12月から2月にかけての今季の出荷に合わせて、町とJAが包装を統一した。

 松茂町内では現在、8戸が50アールで浜葱を栽培しており、14年度の4戸・5アールから大幅に増えた。なると金時の裏作は主にダイコンが作られてきたが、価格低迷や作物の重さが、高齢化の進む生産者の負担になっている。一方、白ネギは14年度は首都圏や大阪の市場で1本50円以上の高値で取引されており、高収益が望める上、軽量なため作業負担も軽い。

 14年度から栽培する同町豊岡の喜来満男さん(75)は、当初は0・3アールだった作付面積を15年度は20アールに広げた。喜来さんは「白ネギは松茂美人と同じ畑で収穫しており、甘味が強い。市場の評価も高く、一層の消費拡大が期待できる」と手応えを感じている。

 町やJAは今後、町内で農家らに試食会を開くなどして栽培を呼び掛け、産地拡大を進める。