小島理事長(右から2人目)の指導でチェーンソーで竹を切る阿南工業高の生徒=阿南市新野町

小島理事長(右から2人目)の指導でチェーンソーで竹を切る阿南工業高の生徒=阿南市新野町

 NPO法人・竹林再生会議(阿南市)は、竹林整備ボランティアを育成する「里山再生塾」を開講した。放置竹林の伐採に欠かせないチェーンソーの扱い方を教えるほか、春先から初夏にかけてはタケノコ掘り体験などを通して、竹林に親しんでもらう。阿南工業高校機械科の生徒が毎回参加する予定で、一般参加者も募っている。

 里山再生塾は1月から1年間、毎週火曜午後に開く。阿南工高は県教委の2015年度「スーパーオンリーワンハイスクール」に選ばれ、放置竹林対策に取り組んでおり、再生会議が活動支援の一環として受講を呼び掛けた。

 初回は今月12日、会員が経営する同市新野町の農機具店であり、生徒5人が参加。会員ら8人からチェーンソーの整備や起動方法、竹の切り方の指導を受けた。2回目以降は、再生会議が管理する同市橘町の山中で、実際に竹林の伐採を行う。

 県によると、県内の竹林は13年度末で約3700ヘクタールあり、阿南市が半分近い約1600ヘクタールを占める。ただ近年は、タケノコ農家の高齢化や後継者不足で、手入れの行き届かない竹林が増加。放置竹林は日光を遮ったり、土の養分を吸い取ったりして、タケノコや他の樹木の成長を阻害するため、伐採などの対策が急がれている。

 再生会議は阿南市のタケノコ農家らが14年5月に結成し、会員は30人。これまでに放置竹林の伐採、必要以上に伸びたタケノコの先端(穂先)を使ったドレッシングの商品化などに取り組んできた。

 受講は随時受け付けており、イベントのみの参加も可能。小島勲理事長(60)=同市椿町香、農業=は「荒れた竹林を整備し、美しい里山を取り戻したい。竹林に遊びに来るつもりで、気軽に参加してほしい」と呼び掛けている。問い合わせは、再生会議<電0884(34)3773>。