アフリカ南部・ザンビアで心臓外科医の指導・育成に取り組むNPO法人「TICO」(徳島県吉野川市)の医療チーム6人が現地入りし、29日、首都ルサカのザンビア大付属教育病院で手術の準備を始めた。9月3日から心臓外科手術を4例実施し、ザンビア人医師の執刀で初めて左右の心室に開いた穴をふさぐ心室中隔欠損(VSD)閉鎖手術にも挑戦する。
心疾患を持つ患者13人を診察し、心臓超音波検査(心エコー)で状態を確認。体格や治療の難易度などを考慮した上で、今回手術をする1~7歳の患者4人を選んだ。
ザンビア人医師4人が1例ずつ執刀し、難易度の高いVSD閉鎖手術は1例のみ実施する。他の3例は、心房を隔てる壁にあいた穴をふさぐ心房中隔欠損(ASD)などの手術をする予定。当日までに、人間のものと構造の似たブタの心臓でトレーニングを重ねる。
プロジェトリーダーの松村武史医師(46)は「患者は全員子どもで心臓が小さいため難易度は上がるが、しっかりサポートして成功させたい」と話した。