ドイツ兵捕虜の慰霊碑に手を合わせるゲオルグ・ロエルさん=鳴門市大麻町

 ドイツの経済振興公社の日本法人社長ゲオルグ・ロエルさん(60)=東京都=が31日、鳴門市大麻町の板東俘虜(ふりょ)収容所跡地にあるドイツ兵捕虜の合同慰霊碑を訪れた。ロエル社長は1976年の慰霊碑建立に携わった元ドイツ総領事ウイルヘルム・ロエルさんの三男。

 父ウイルヘルムさんは、鳴門市と大阪・神戸ドイツ総領事館が収容所跡地に合同慰霊碑を建立した際の総領事で、除幕式に当時の谷光次市長と共に出席した縁がある。

 市のドイツ人国際交流員の案内で合同慰霊碑を訪れたロエル社長は、父の名が刻まれた銘板を見つけて笑顔でうなずいたり、隣に立つドイツ兵慰霊碑に手を合わせたりしていた。近くの市ドイツ館も見学した。

 ロエル社長は30日、徳島市で開かれたベートーベン「第九」演奏会に合唱団員として参加した。「慰霊碑が美しく守られていることにドイツ人として感謝したい。周りの落ち着いた自然を見ていると、ドイツ兵も感謝して日独交流の種をまいたのではないか」と思いをはせていた。

 2018年に第九アジア初演100周年を迎えることについては「記念の年には鳴門に来たい。東京の合唱仲間にも呼び掛けようと思う」と語った。