鳴門に飛来しているのが目撃された4羽のコウノトリ=31日午後、鳴門市大麻町(読者提供)

鳴門に飛来しているのが目撃された4羽のコウノトリ=31日午後、鳴門市大麻町(読者提供)

 2羽のコウノトリが昨年から居着いている鳴門市大麻町に31日、別の4羽が飛来した。繁殖期が間近に迫っており、専門家は鳴門で巣作りや繁殖活動をする可能性もあると指摘している。

 31日午後5時ごろ、4羽がレンコン畑で一緒に餌をついばんでいるのを地元住民が見つけた。近くで車の音がすると、驚いたように飛び去ったという。

 個体識別用の足輪から、このうち2羽は1月上旬に鳴門で目撃された個体と判明。残る2羽は兵庫県内の人工巣塔で生まれた1歳10カ月の雄と1歳9カ月の雌で、鳴門で目撃されたのは初めて。

 同県豊岡市のコウノトリの郷(さと)公園に寄せられた目撃情報によると、4羽とも昨年12月上旬には香川県丸亀市に滞在していたことが分かっている。

 豊岡市でコウノトリの保護活動に取り組んでいる住民団体・コウノトリ湿地ネットの佐竹節夫代表(66)は「4羽からつがいが誕生するかもしれない。鳴門は餌が豊富で、コウノトリにとって好環境なのだろう。静かに見守ってほしい」と話している。

 一方、昨年5月から鳴門市に居着いているペアは31日、雄が同市大津町、雌が藍住町で過ごしているところを複数の住民に目撃されている。
 31日午後、4羽の写真を撮影した男性は「ペアが近くにいなかったため、ゆっくりと羽を休ませていたのではないか。このまま定着してくれればうれしい」と声を弾ませた。