節分の3日、県内各地で豆まきなどの行事が行われた。子どもたちは、鬼に扮(ふん)した大人に豆を投げるなどして邪気を追い払い、健康や安全などを祈った。
那賀町 町青年団員が鬼のいでたちで家々を回る「なかはげ」が鷲敷地区であり、子どもの健やかな成長を祈った。
鷲敷支部の10人が赤鬼や青鬼に仮装し、事前に申し込みがあった同地区の4戸5世帯を訪問。包丁やこん棒を手に「言うこと聞かん悪い子はおらんか」と入ってきた鬼に、子どもたちは泣きながら豆をまいて追い払った。鬼が退散した後は福の神役の団員が現れ「いい子でいてね」とお菓子を配った。
「なかはげ」は秋田県の伝統行事「なまはげ」に似せたイベントで、2008年から実施している。
美馬市 脇町の江原認定こども園では、園児175人が豆まきをして交通安全を祈願した。
美馬署員らが信号にちなみ赤、青、黄の鬼に仮装して園庭に登場。鬼の胸には「とびだし」「こうつうじこ」と書かれており、手作りの鬼のお面をかぶった園児が力いっぱい豆を投げつけて撃退した。美馬署員による横断歩道の渡り方教室もあった。
岡元颯真ちゃん(6)は「鬼をやっつけることができてよかった。横断歩道では左右を確認して飛び出さないようにしたい」と話した。
徳島市 徳島城博物館では、市内9カ所の幼稚園や保育所の子どもたち約270人が元気いっぱいに豆をまいた。
阿波踊りの有名連員らでつくる「藍吹雪」が演奏するおはやしに合わせて、旧徳島城表御殿庭園に赤と緑色の鬼が登場。子どもたちは「鬼は外、福は内」と豆を投げつけて退散させた。
金棒を振り回したり大声を上げたりする鬼の姿に、泣き出す子どももいた。
生光学園幼稚園(応神町)の竹田奈央ちゃん(5)は「少し怖かったけど、精いっぱい豆を投げた。今年1年も友だちと楽しく過ごせそう」と話した。
鳴門市 大麻町大谷の宇志比古神社で節分祭があり、近くの認定こども園「すくすく」の園児70人が、厄よけや福を呼び込むことを願い、豆をまいた。
拝殿に入った園児は、境内に集まった住民約130人に向かって、小袋に入った豆を力いっぱい投げた。
菖蒲美結ちゃん(5)は「豆を投げるのが楽しかった。持って帰って食べたい」と話していた。
豆まきに先立ち、各地区の総代らが玉串を奉納する神事が行われた。