徳島県警は19日、県警本部で「特殊詐欺寸劇グランプリ」を開く。県内の各警察署が被害防止へ独自に考案した寸劇の出来栄えを競う初の試みで、事前審査を通過した徳島東、板野、美馬の3署が熱演を見せる。
グランプリは「特殊詐欺被害防止対策会議」の中で行い、会議の委員を務める金融機関や宅配業者、行政機関などの約40人が審査。最優秀1署を選ぶ。徳島東、板野両署は息子をかたるおれおれ詐欺をテーマにし、美馬署は高齢者が還付金詐欺に遭うストーリーを演じる。
県警は、高齢者らに手口を知ってもらおうと5年ほど前から啓発活動に寸劇を取り入れている。各署の署員が脚本を考え、役者も担当。近年、手口が巧妙化していることから内容を改良しながら被害防止を呼び掛けてきた。
グランプリは、より啓発効果のある寸劇作りに生かしてもらおうと企画し、昨年9~12月に事前審査をした。10署が講習会などで披露した劇を県警本部の担当者が、声の聞きやすさや演技力、手口の説明と対策の分かりやすさを採点した。
澤口光資郎生活安全部長は「詐欺の手口を広く知ってもらい、被害を食い止めたい」と話している。