安倍晋三首相(自民党総裁)は1日、徳島県を訪れ、党県連が徳島市の徳島グランヴィリオホテルで開いた政経文化パーティーで講演した。アベノミクスによる経済成長を強調したほか、「国民を守るために命を懸ける自衛隊の正当性を(憲法に)明確に位置付ける必要がある」と述べ、憲法改正の実現に強い意欲を示した。来県は2013年7月以来、5年ぶり。
首相は、自衛隊を合憲と判断する憲法学者が少なく、教科書で自衛隊の違憲論争が取り上げられていることを指摘。「ある自衛官がお子さんに『お父さんは憲法違反なの』と言われたと聞いた。日本の独立と平和を守る自衛隊をしっかりと明記し、この状況に終止符を打つべきだ」と述べ、憲法9条改正の必要性を強調した。
7日に告示される党総裁選には直接触れなかったものの、来年予定されている皇位継承、大阪での20カ国・地域(G20)首脳会合などに言及。「日本は大きな歴史の転換点を迎える。平成のその先の時代に向けて今こそ日本の明日を皆さんと共に切り開いていきたい」と語り、総裁3選への意欲をにじませた。