「防災の日」の1日、徳島県は美馬市美馬町の西部健康防災公園を主会場に、中央構造線を震源とする直下型地震を想定した総合防災訓練を実施した。海陽町では南海トラフ巨大地震に備える訓練があった。市町村や消防本部、警察など170機関から約1200人が参加し、負傷者救助や情報収集の連携強化に取り組んだ。
午前10時ごろ、三好市付近の中央構造線活断層帯でマグニチュード(M)7の地震が発生し、市街地の家屋が倒壊したり、山崩れで集落が孤立したりしていると想定。倒壊家屋や車に負傷者が閉じ込められている状況をつくり出し、県警広域緊急援助隊や自衛隊などが油圧式スプレッダーやチェーンソーを使って救出した。
救護所では災害派遣医療チーム(DMAT)が、治療の優先順位を決める「トリアージ」や、負傷者を搬送する手順を確認。孤立集落からの救出訓練では、県消防防災ヘリコプター「うずしお」が被災者をロープでつり上げて助け出した。
会場内の西部防災館に県災害対策本部の統括司令室を設置し、応援に駆け付けた自衛隊員らの派遣先を各市町の被災状況に応じて振り分ける受援体制訓練も行われた。
海陽町の南阿波ピクニック公園であった訓練は、南海トラフ巨大地震の津波で家屋流失が起きたと想定し、支援物資の輸送経路などをヘリコプターで確認した。海部病院(同町)でのDMATの輸送訓練は雨のため中止となった。