徳島市が進めている新町西地区再開発事業の都市計画の変更手続きで、市が当初目指していた3月中の計画変更が困難になっていることが分かった。県が事前協議入りを拒んでいることなどが要因。市は手続きを中断し、同月27日投開票の市長選後に先送りする方針を固めた。市が目標とする「2018年度末の事業完成」が遅れる可能性もある。

 市は、15年11月の住民訴訟判決で「(市が行っていなかった)都市計画の変更手続きを要する」と指摘されたことを受け、変更手続きに入った。12月に変更後の計画素案の公告・縦覧(2週間)と市民説明会を行い、今年1月20日に公聴会を開いた。

 同時に、知事協議の前提となる県との事前協議に入ろうとしたが、県は応じていない。関係者によると、市の担当者が昨年12月1日に協議書を県に持参したところ、県は書類を受け付けなかった。その後も約2カ月、受け取りを拒否し続けている。

 市は市長選が迫ってきたこともあり、選挙への影響などを考慮して手続きをいったん止める判断をしたもようだ。県は、事前協議に入っていない理由について「コメントできない」としている。

 市は12年の都市計画決定後、事業計画で集合住宅と小ホールの位置を入れ替えたが、都市計画の変更をしていなかった。住民訴訟の判決ではこの点を「事業計画が都市計画に適合しない瑕疵(かし)がある」と指摘された。