八木澤さん(左端)の指導で練習に励むBMSウインドアンサンブル=鳴門市勤労青少年ホーム

八木澤さん(左端)の指導で練習に励むBMSウインドアンサンブル=鳴門市勤労青少年ホーム

 鳴門市を拠点に活動する市民吹奏楽団「BMSウインドアンサンブル」は、3月5日に鳴門市文化会館で開く定期演奏会で、東日本大震災復興シンボル曲「あすという日が」で知られる作曲家の八木澤教司(さとし)さん(40)=千葉県市川市=から提供されたオリジナル曲を初披露する。八木澤さんがタクトを振ることになっており、団員65人は本番に向け練習に励んでいる。

 曲は「水上都市『ヴェネツィア』~アドリア海の女王」(9分)。八木澤さんが憧れる音楽家ジョバンニ・ガブリエリの出身地をテーマに作った。団員の多いBMS楽団の特徴を生かし、クラリネット、サクソホン、トランペットなど多彩な楽器の見せ場を設けている。八木澤さんは「水面に反射する太陽の光のような明るい吹奏楽曲に仕上げた」と言う。

 2006年、鳴門市文化会館であった全日本吹奏楽コンクールで、同楽団が八木澤さんの曲を披露した際、会場にいた八木澤さんが懸命に演奏する団員の姿に感動し、オリジナル曲の提供を申し出た。今回、10年がかりで約束を実現させた。

 楽団は昨年9月から週1、2回、約2時間の練習に取り組んでおり、今年1月末には鳴門市を訪れた八木澤さんから演奏指導を受けた。

 定期演奏会では同曲のほか、八木澤さんが手掛けた3曲を含む約10曲を披露する。

 八木澤さんは、千葉県で開かれた全国植樹祭や国民体育大会、全国高校総体などの作曲、編曲を手掛けている。中でも合唱曲「あすという日が」は11年のNHK紅白歌合戦で披露された。

 安芸豊団長(49)は「観客と団員の双方が感動するステージにして、曲を書いてくれた八木澤先生の恩に報いたい」と話している。演奏会は午後7時から。入場無料。問い合わせは堀川さん<電090(7141)0620>。