県西部の急傾斜地農法の世界農業遺産登録を目指して開かれたシンポジウム=東みよし町の三好東部福祉センター

県西部の急傾斜地農法の世界農業遺産登録を目指して開かれたシンポジウム=東みよし町の三好東部福祉センター

 県西部の急傾斜地農法の世界農業遺産登録について考えるシンポジウムが9日、東みよし町昼間の三好東部福祉センターであり、住民ら約100人が2017年の登録に向けて機運を高めた。

 「にし阿波の農業観光の未来に向けて」と題したパネル討論では6人が登壇。県西部4市町の観光振興に取り組む一般社団法人そらの郷の出尾宏二事務局次長(56)は、外国人観光客が三好市の落合集落など急傾斜地の暮らしに興味を持っているとし、「立派な観光資源になりうる」と強調した。

 天日干ししたススキなどを積み上げて保存する「コエグロ」作りを行う東みよし町の地域おこしグループ・西庄良所(よいしょ)会の平野重秋会長(64)は「地域のいい所をもっと知り、活気づかせたい」と述べた。徳島大総合科学部の内藤直樹准教授(生態人類学)は「住民の参画が活動を進める上で大切」と、来場者に協力を呼び掛けた。

 シンポジウムは、4市町などでつくる徳島剣山世界農業遺産推進協議会が主催した。協議会は14年、国連食糧農業機関に登録申請したが落選。今春の再申請、17年の登録を目指している。