「スポーツ」とは。いくつかの辞書によれば「競争性と遊戯性を持つ身体運動の総称」であるらしい。昨日閉幕したアジア大会は、日本勢のメダルラッシュに沸いた。トップ選手が磨き上げた技を競い合う姿は、見応えがあった

 この「競技」でも、繰り広げられたのはうなるような技。コンピューターゲームで対戦する「eスポーツ」である。公開競技として初めて採用され、サッカーゲームで日本代表ペアが見事、金に輝いた

 操作盤で見せる指の動きは神業の域。国の代表ともなれば格が違う。と、感服したのだが、どうも違和感があり、すっきりしない。果たして「スポーツ」なのか

 懐疑論は従前ささやかれていた。「体を躍動させ、汗を流すのがスポーツ」といった印象が根強いからだろう。しかし、である。五輪競技のアーチェリーは息が切れるほど動くのか。射撃はどうか、と問われれば答えに窮す

 世界保健機関(WHO)は6月、ゲームのやり過ぎで正常な日常生活ができない「ゲーム障害」を病気と認めた。深刻な問題なのだが、アジア大会に出場した選手に該当者はいただろうか

 4年後の次回アジア大会では正式競技になる。来年の茨城国体では都道府県対抗が行われることが決まっている。スポーツとは? 考え続けることとしよう。答えは当分見つかりそうにない。