徳島県は12日、2016年度当初予算案を発表した。一般会計は4851億200万円で、知事選に伴い実質的な当初予算となった15年6月補正後の累計額を41億3300万円(0・9%)上回った。環太平洋連携協定(TPP)対策や移住・交流人口の増加につなげる「とくしま回帰」の取り組みを重視した。7年連続の増額編成で、県は「地方創生の本格展開に向けた予算」と位置付けた。
当初予算案は、経済雇用対策に前年度比0・5%増の776億円、安全・安心対策に3・4%増の780億円、人口減少対策などに32・6%増の114億円をそれぞれ計上した。県土強靱化を推進する公共事業費は589億円(0・7%増)を確保した。
国の補正予算に呼応した15年度2月補正予算案と併せて、重要課題に切れ目なく対応していく。
主要政策では、TPPの発効を見据えた関連事業に127億円(うち2月補正6億円)を盛り込んだ。県のTPP対応基本戦略に基づき▽持続可能な農林水産業の産地づくり▽ブランド化の推進▽海外展開の支援-などに取り組む。
小規模農林水産業者の「守り」に重点化した基金を新設し、県費5億円を積み立てる。初年度は3億円を取り崩し、新規就農者の経営維持・拡大や中山間地の支援に充てる。
「とくしま回帰」関連予算は434億円(8億円)。移住・定住の促進や婚活支援、子育て環境の整備を図る。移転を目指す消費者庁と国民生活センターの試験業務としてネット環境の整備費も計上した。
当初予算案の歳入は、県税が15年度比0・6%増の775億円、地方消費税清算金は16・5%増の276億1040万円。県債は防災・減災対策事業の前倒し実施などで3・5%増の568億8600万円とした。
19特別会計の当初予算案は1・1%増の2896億8602万円となっている。