覚書を交わす中田丑五郎町長(左)と白川社長=勝浦町役場

覚書を交わす中田丑五郎町長(左)と白川社長=勝浦町役場

 常備消防を持たない勝浦町は2017年4月から、宮崎県美郷町の民間会社「日本救急システム」に救急業務を委託する。自治体が救急業務を民間委託するのは、美郷町に次いで全国2例目。

 同社が勝浦町に支店を設け、救急救命士7人を配置し、町の救急隊員として採用されている臨時職員7人と共に24時間態勢で業務に当たる。町が詰め所を整備し、資機材を設置する。委託料などは未定。

 同町では現在、年間約280件の救急出動要請がある。ただ、隊員は救急救命士の資格を持っていないため、救急車内で救命活動ができず、搬送のみの任務となっている。

 町は、2014年から広域行政での常備消防の実現を目指して勉強会などを開いているが、めどが立っていない。このため人命にかかわる救急業務の充実を急ぎ、15年8月に美郷町を視察。同社への委託を決めた。

 15日、勝浦町役場で、中田丑五郎町長と日本救急システムの白川透社長が覚書に署名した。

 中田町長は「全ての町民の生命を守るための民間委託。広域での常備消防実現に向けても引き続き努力する」と話した。