徳島県議会2月定例会が18日、開会した。環太平洋連携協定(TPP)への対策などを盛り込んだ2016年度一般会計当初予算案(4851億200万円)、15年度一般会計補正予算案(75億7942万円)など69議案を上程し、飯泉嘉門知事が所信表明した。知事は、阿波人形浄瑠璃に取り組む中高校生が集う「浄瑠璃フェスティバル」を秋に県内で初めて開催することを明らかにした。24日に本会議を再開し、代表・一般質問に入る。会期は3月15日まで。

 浄瑠璃フェスティバルは、若者の芸術力向上や徳島の文化の継承が目的。人形浄瑠璃の部活動がある城北、那賀、小松島西勝浦の3高校を中心に、県内の中学校や兵庫県・淡路島の高校にも参加を呼び掛ける。

 開催場所については、県教委は県内の農村舞台を活用したい考えで、参加校が演目を披露し合うほか、生徒たちが交流を深める場にする。知事は「徳島が誇る阿波文化を全国はもとより世界に向けて発信していくためには、郷土の未来を担う若者の手で盛り上げ、次世代にしっかりと継承していく必要がある」と述べた。

 知事はまた、昨年8月に国の登録有形文化財に指定された城北高校の「人形会館」の耐震改修に着手することを表明。「世代を超えた活動拠点として、さらに地域に開かれた阿波人形浄瑠璃普及の拠点として、積極的な活用、公開を目指していきたい」とした。

 1965年に建てられた人形会館は県内で唯一、学校に併設された本格的な芝居小屋で、伝統芸能の伝承拠点となっている。

 県提出議案のうち、15年度一般会計補正予算案を先議し、共産を除く賛成多数で可決した。