「やぎう坐」で開かれたザ・リバーフェイスの報告会。現地での様子をスクリーンで上映した=三好市池田町マチ

「やぎう坐」で開かれたザ・リバーフェイスの報告会。現地での様子をスクリーンで上映した=三好市池田町マチ

 三好市池田町中心部の本町通りに、映画スクリーンを備えた貸しイベントスペース「やぎう坐(ざ)」が誕生し、人気を呼んでいる。有志が店舗の空きフロアを改修し、2015年12月にオープン。これまで18件の利用があり、今月20日には映画監督蔦哲一朗さん(31)が制作したドキュメンタリー映画「蔦監督-高校野球を変えた男の真実」の上映会がある。

 やぎう坐は、「ブライダルショップやぎう」3階に開設。貸衣装の倉庫にしていた空間を、シアタールーム(約30平方メートル)と雑貨販売スペース(同)に改装した。

 シアタールームには、140インチの大型スクリーンやDVDプレーヤーなどを備える。飲食物の持ち込みができ、こたつやソファでくつろぎながら映画などを楽しめる。最大約40人が利用できる。料金は、10人以上で使う場合は1時間3千円、10人未満の時は1人当たり1時間500円(小学生以下無料)。

 雑貨販売スペースには、同町のギャラリー・百年蔵と美馬市の雑貨店から取り寄せた骨董品やアクセサリー、県産食品などが並ぶ。

 店主の柳生良夫さん(49)と、地域のにぎわいづくりに取り組む西崎健人さん(31)=同市池田町イケミナミ=が、30年来、市内から姿を消している映画館を復活させ、地域に活気をもたらそうと計画。15年秋にフロアの改修を始め、知人のデザイナーや地元有志の手を借りながら、床を張り替え、天井を黒く塗って仕上げた。

 既に地域の個人や団体が、アニメ映画上映や、音楽ライブの会場などとして利用。今年1月には、女子ラフティングチーム「ザ・リバーフェイス」が、昨年出場した世界大会の報告会を開き、競技の様子を大型スクリーンに映した。

 訪れた野田秋人さん(35)=美馬市脇町、会社員=は「プライベートで借りられる場所に上映機能があるのは珍しい。知り合いの家族と一緒に使ってみたい」と話した。

 映画「蔦監督」は、午前10時45分と午後1時半からの2回上映する。入場無料。