非常に強い台風21号が上陸した徳島県内は4日、南部を中心に猛烈な風による被害が相次いだ。店舗の屋根や看板が飛ばされて車や民家に激突。沿岸部では高潮も発生した。
阿南市日開野町谷田では木造平屋の空き店舗(約50平方メートル)の約半分が屋根ごと飛ばされ、西側の大型量販店駐車場のフェンスに直撃。駐車していた自動車数台も破損した。
高潮は鳴門市鳴門、瀬戸両町で複数発生し、深い所で60センチほど道路が冠水。住宅浸水も複数あるようだが、詳しい状況は不明。
徳島市津田海岸町では高潮や大雨により、道路が約700メートルにわたって最大で60㌢ほど冠水した。美波町山河内では、宿泊施設に続く町道が高波の影響で損壊した。
松茂町中喜来では民家のトタン屋根が飛んばされた。住民によると、バリバリッと激しい音がした後、頭上が明るくなり、見上げると完全に屋根がなくなり、空が広がっていたという。小松島市南小松島町でも長屋(2戸)の屋根の一部が吹き飛ばされた。
勝浦町の勝浦中体育館は屋根の一部が飛び、阿南市の那賀川中では校舎玄関のガラスが割れた。小松島市のひかり保育園は2階の天窓が飛ばされた。
四国地方整備局小松島港湾・空港整備事務所(小松島市)が海陽町沖に設置していた津波観測用の衛星利用測位システム(GPS)波浪計が流失した。
携帯電話も利用しづらい状態となり、NTTドコモは阿波、美波など4市町、ソフトバンクは鳴門、北島など3市町で発生した。