非常に強い台風21号は4日正午ごろ、徳島県南部に上陸後、近畿や北陸を縦断した。民家が全壊するなど暴風による被害が各地で相次いだほか、徳島新聞の午後7時時点のまとめでは4市町で計7人が軽いけがを負った。一時、13市町村の10万1749世帯22万5924人に避難勧告が出されたが、全て解除された。
徳島地方気象台によると、4日の県内は明け方から風速15メートル以上の強風域に入り、昼前から昼過ぎにかけて風速25メートル以上の暴風域となった。最大瞬間風速は美波町で午前11時5分に観測史上最大となる50・3メートルを観測。上勝町殿川内に設置された県の雨量計の1時間雨量が、徳島地方気象台の観測地点の歴代最高値(108・5ミリ)を上回る109ミリの猛烈な雨を観測した。
けが人のうち、徳島市川内町の料理店では81歳男性が風圧で割れた窓ガラスで左手の甲を切った。
美馬市脇町では、若宮神社のご神木が強風にあおられて根元から倒れ、直撃を受けた民家が全壊。阿南市では那賀川大橋などでトラック3台が横転したほか、徳島市八万町の大野橋でもトラック1台が横転した。いずれもけがはなかった。