東みよし町役場三加茂庁舎=東みよし町加茂

 徳島県東みよし町が、町議14人(男13人、女1人)のスーツを購入するための補助金30万8000円を、2018年度一般会計補正予算案に計上していることが4日、分かった。町議会は2010年度以降、改選するたびにそろいのスーツを作っており、町は慣例として予算計上したという。県内自治体で同様の補助金を受けている議会はない。町財政が厳しい中、町民からは疑問の声が上がっている。

 町議会事務局などによると、スーツは事務局が注文し、見積額は1人当たり4万4千円。半額を補助金で賄い、残りを議員個人が出す予定だった。

 町議会は6月に開いた全員協議会で、そろいのスーツを作るかどうかを協議し、賛成多数で購入を決めた。町は補正予算案で「議会費」の「負担金、補助及び交付金」として計上していた。

 購入が始まったのは10年度で、14年度と合わせて過去2回、補助金が出ていた。視察時などは基本的に同一のスーツを着用しているという。

 谷藤昇事務局長は「服装をそろえることで、研修や視察の受け入れ先の印象を良くするため」と説明。坂本正一議長は「4年に1回の購入で、高価なわけでもない。服装を統一した方が見た目がきれいだ」と主張している。

 松浦敬治町長は「議員活動をする上で、場に応じた正装が求められる場合がある。慣例であり、県外の議会でも同様の事例があると聞いている」とし、補助金の計上に理解を示している。

 県内では、上勝町議会が改選ごとに「活動服」を議員全員に支給し、視察や災害対応などの際に着用。那賀、北島、つるぎの各町議会などは初当選した議員に「防災服」を支給している。

 同町加茂の男性公務員(54)は「ユニホームで町をPRするなら理解できる」とした上で「単なるスーツに公費支出の必要性があるのか疑問だ。明確な根拠がなければ、個人的な物品に補助していると誤解されても仕方がない」と話した。