ショックが発生すれば生命に関わりますから、その発生を疑えば迅速で適切な処置を急ぐ必要があります。詳細な原因の検索は迅速な対応の後に行いますが、初期対応と並行して最低限確認すべき項目があります。
まずショックの段階による状態、ショックの程度を判断します。血圧が保てず心停止が切迫している状態なのか、血圧は保たれ重要臓器へは血流が保たれているが尿量減少や頻拍などの代償機転が働いている状態なのかを判断します。
次にショックに至った契機と心疾患の有無を確認します。全身状態の観察、意識・呼吸・皮膚色をぱっと見て判断します。この時、症状、アレルギー、薬剤、既往歴、最終経口摂取、発症・受傷の契機をチェックします。
全身状態の良否を判断する上で、A気道、B呼吸、C循環、D神経学的所見、E外表所見と体温の順に評価します。
アナフィラキシーによるショックが発生した場合にもまずショックの重症度を瞬時に評価します。その後、契機になったアレルゲンや使用薬剤を確認します。
アナフィラキシーによるショックは血液分布異常性ショックであるとともに呼吸障害や血圧低下などを引き起こし、死因も窒息とショックによるものが多くを占めています。
保育園や学校などの集団生活現場でショックが発生した場合に、その場所にいた人の瞬時の判断が生死を分けることがあります。常に子どもの体質を知り、健康状態に注意を払うことが大切です。