徳島市出身の高田陽峰さん(69)=本名・折野英夫、奈良県大和高田市=が、古事記をベースにした小説「金印」の執筆に取り組んでいる。全4巻のうち2巻まで出版済みで、徳島の地名も登場する。2018年をめどに書き上げる予定だ。
「金印」は、大和朝廷の成り立ちや邪馬台国の台頭などを描いている。現在も残っている地名や地形に着目し、推論を交えて物語を構成した。
徳島に関する記述では、名東、名西両郡が九州北部の「名」という国の子孫の落ち延びた先とされている。主要登場人物の1人は徳島市の津田にとりでを設けたという設定だ。
徳島大を卒業した高田さんは大阪市などで働いた後、30年ほど前に奈良県へ移住したのを機に歴史を勉強し、10年から歴史小説を書き始めた。
高田さんは「歴史の流れを中心に書いており、歴史書としても読んでもらえるのでは」と話している。
1巻「輪国(倭国)の大乱始まる」は233ページ、1400円、2巻「山門伊国(邪馬台国)誕生」は182ページ、1200円(いずれも文芸社刊、四六判、税別)。徳島県内の主要書店などで販売している。