県内レタス生産量の約4割を占める柿島レタス。生産者の部会が50周年を迎えた=2月、阿波市吉野町柿原

 阿波市吉野町特産「柿島レタス」の生産者でつくるJA板野郡柿島レタス部会が、設立50周年を迎えた。稲作などの不振からレタスに転向して拡大。今では県内レタス生産量の約4割を占め、京阪神を中心に高い評価を得てきた。8日に徳島市の徳島グランヴィリオホテルで記念式典を開く。

 「柿島レタス」のブランド名で、レタスとサニーレタスの栽培が始まったのは1965年。柿原地区でそれまで主力だった葉タバコや稲作では農家の経営が厳しくなったため、取引価格の高いレタスに着目した。

 農家約90戸が生産技術を共有してブランド化を図ろうと、69年に部会を設立。独自に配合した肥料を使い、厳しい品質検査も課してきた。

 73年には部会の冬レタス(出荷時期12月~翌3月)が、77年には春レタス(4~5月)が国の産地指定を受けた。これにより価格が基準を下回った場合に補給金が支払われ、安定的な生産ができるようになった。食生活の欧米化に伴ってレタスの需要が増えたことも追い風になり、出荷量を伸ばしていった。

 現在は約80戸がレタス10品種とサニーレタス2品種を計約2千トン栽培し、京阪神を中心に出荷している。

 課題は、生産者の高齢化と後継者不足。部会は作業効率を向上させようと、自動包装機を導入して包装にかかる時間を3分の2に減らすなど省力化を図っている。

 今倉秀明部会長(61)=阿波市吉野町柿原=は「一人一人が培ってきた品質を次の世代に継承し、産地を守り、発展させていきたい」と意欲を見せている。