JR四国は29日、南海トラフ地震の津波対策として牟岐線などをワンマン列車として運行している車両に避難シューターを設置すると発表した。4月中に設置完了させる。
設置するのは牟岐線と土讃線の高知-窪川駅を運行している113両。ワンマン列車は運転手だけで運行させており、津波発生時の避難誘導が課題となっていた。現在設置されているはしごなどでは避難が困難な高齢者らを迅速、安全に車両から誘導する。
シューターは長さ250センチ、幅80センチの耐久性のあるポリエステル製シートを、ロープで車両の前・後面にある扉と線路に固定。高さ約160センチの車両床面から、ゆっくりと滑り降りられるようにした。通常は、客室の座席下に収納しておく。
シューターは同社社員が考案。訓練などで実用性を確認し、生産を始めている。設置費用は1千万円程度を見込んでいる。
JR四国によると、現在、JR各社では列車にシューターを設置しているケースはなく、泉雅文社長は「2~3分で設置でき、早く避難しなければならない場合に効果的」と話した。