JR四国が土讃線に導入する観光列車の車内(写真上)と観光列車の外観(同下)のイメージ(同社提供)

JR四国が土讃線に導入する観光列車の車内(写真上)と観光列車の外観(同下)のイメージ(同社提供)

 JR四国は29日、土讃線の大歩危-多度津駅に新たな観光列車「四国まんなか千年ものがたり」を2017年4月に導入すると発表した。特急列車の車両を全面改造し、和の風情を演出した3両編成で運行する。同社が車内で食事を提供する観光列車を運行させるのは、予讃線の「伊予灘ものがたり」に次いで2例目。「伊予灘-」が人気を得ていることから、観光客の増加を見込んで導入を決めた。

 名称の「四国まんなか-」は、善通寺や金刀比羅宮、祖谷など歴史のある名所が沿線にあり、四国の中央部を運行することなどから決めた。

 車両のデザインコンセプトは「日本のたたずまい」。外装は1両目は新緑をイメージした緑、2両目は吉野川の青、3両目は紅葉の赤を基調にする。2両目は左右非対称のデザインで、半分は雪をイメージした白を基調とする。

 内装は褐色木材を用い、外装に合わせた色のソファを配置。車窓から景色を楽しめるように座席の配列を工夫し、客席は60席程度にする。遊山箱や香川漆器に入れた地元の食材を取り入れた食事を提供する。

 8月から列車改造に着手し、12月に完了の予定。大歩危、琴平、多度津以外の停車駅や運転時刻、料金など詳細は未定だが、運行時間は約2時間半を見込んでいる。列車改造や駅改修など費用は約2億円。

 新列車導入に伴い、同線で運行されているトロッコ列車は別の路線に移す。

 徳島県西部4市町の「にし阿波~剣山・吉野川観光圏」を通るルートで、泉雅文社長は「地元とのタイアップもうまくできるのではないか」と期待した。