阿南市は牛岐城趾公園(同市富岡町)の東口に、新たに広場を整備した。市役所周辺の中心市街地の景観改良を図り、公園への入り口を分かりやすくすることが目的。地元企業の日亜化学工業からの寄付金1億2千万円などを充てた。1日、関係者が出席して完成式典があった。
広場は約600平方メートルで、公園の東側通路付近の土地を購入して拡張し、整備した。あずまや、ベンチ、案内板を設けた。総事業費は1億9千万円で、日亜化学の寄付金と国の社会資本整備交付金7千万円を原資とした。
城趾公園は、戦国時代に阿波国南方を治めた武将新開実綱ゆかりの牛岐城跡に造られている。夏は阿波踊り会場となり、冬場は50万個のLEDでライトアップされ、市民の憩いの場となっている。
公園には北、東、西に入り口がある。ただ人通りの多い市役所方面からのアクセスとなる東口の通路周辺には案内看板がなく、「公園にはどこから入るのか」といった声がよく聞かれた。このため2014年12月から広場の整備を進めてきた。
自転車で近くをよく通るという古川弘子さん(75)=同市日開野町宮原=は「初めて訪れる人でも公園の場所がよく分かるようになり、行きやすくなった気がする」と話した。
式典は、近くの富岡保育所と寿保育所の園児約30人が招かれ、岩浅嘉仁市長、地元住民ら計約60人が出席。テープカットやくす玉割りで、完成を祝った。