[上]ファンクラブ入会数が低迷している阿佐東線=海陽町久保の宍喰駅[下]あさてつファンクラブへの入会を呼び掛ける阿佐海岸鉄道のホームページ

[上]ファンクラブ入会数が低迷している阿佐東線=海陽町久保の宍喰駅[下]あさてつファンクラブへの入会を呼び掛ける阿佐海岸鉄道のホームページ

 海陽町と高知県東洋町を結ぶ鉄道・阿佐東線を応援する「あさてつファンクラブ」の入会数が低迷している。クラブが発足して5年目の2015年度は過去最少の1115口にとどまった。鉄道を運営する第三セクター・阿佐海岸鉄道は「入会者が固定化している」と分析し、新規入会の呼び掛けに力を入れている。

 ファンクラブは、1992年の開業から赤字経営が続く阿佐東線の利用促進につなげようと11年度にできた。個人会員(年会費1口千円)と法人会員(同3千円)があり、入会数は12年度に1301口(個人1265、法人36)あったが、13、14年度は1200台前半で推移。会員の約4割は地元の海部郡と東洋町の住民や企業で、残りは県内外の鉄道ファンらが占める。固定ファンは全体の9割ほどに上るという。

 会員の熱心な利用で乗客数は11年度以降、前年度実績を上回っている。14年度は10年度比14・5%増の4万3691人が利用した。

 赤字経営は変わらないものの、同社の岡本真一専務は「ファンクラブの存在が乗客数増加の一因となっている。一人でも多くの人に後押ししてほしい」と話している。

 会員には同線の海部-甲浦駅間の往復乗車券1回分が贈られるほか、年4回の抽選会でイセエビやポンカンといった地元特産品が当たる特典がある。入会の問い合わせは同社<電0884(76)3701>。